株式会社C&Eコーポレーションについて

• 私の“原点”。人生初の感動体験

  私は広島で生まれ、その後九州の大学へ進学。
  その後、地元広島で多くの飲食店を運営する会社に入社。新入社員研修の後に、ファミリー客や会社関係を客層とする店舗に配属となりました。
  この入店１年目体験したある出来事が、今でも私の忘れられない思い出、そして大切な飲食店で働く上での原点として私の心の中で息づいています。
  元々、人と接する事は苦手ではなかったので、接客業務は抵抗なく出来ていたと思います。半年もすると、常連のお客様のお顔やお名前も覚えられるようになり、ご家族連れのお子様ともよく遊んだり、お話をしたりしながら仕事を楽しくこなしていました。
  
  そんな社会人１年目のクリスマスの時期の事でした。
  当時、配属された店舗では、クリスマス時期の12月23日～25日にかけて、お菓子の詰まったブーツをお子様にプレゼントをしていました。
  ご家族連れでお越しのお子様には「クリスマスにはお菓子のブーツのプレゼントがあるから来てね」などとお客様の帰り際に、クリスマスイベントをお知らせしていました。そして、最終日の12月25日午後９時頃、玄関から勢いよく走ってきた兄弟を見て、私は血の気が引きました。
  その兄弟とは以前来店した際に「クリスマスに絶対くるからね！ブーツ取っておいてよ、約束だよ！」と会話を交わしていたのです。
  しかし、男の子達が来店した時間には、300個用意していたブーツは既に無くなってしまっていました。言い訳になるかもしれませんが、お店のイベントで私はたくさんのお子さんに声を掛けていましたので。
  その時は、兄弟に謝り、別の物を差し上げました。そして、ご両親も「来るのが遅かったので、しょうがなかったね」となだめていただき、その場は収まりましたが、私の気持ちの中で男の子との大切な約束を破ってしまった事に対して、申し訳ない気持ちで一杯でした。

いつもの兄弟の弾んだ声が聞けなく、あんなに楽しみにしていたクリスマスのひと時を台無しにしてしまった責任を痛感致しました。

帰宅をしてからも男の子達の残念そうな顔が頭から離れず眠れぬまま、まんじりとして朝を迎えました。その日はいつもより早く自宅を出て、一日遅くなったけどクリスマスブーツの約束を守らなければならない気持ちで、出勤前に近所のスーパーへ出向き、クリスマスブーツを探しましたが、どこにも陳列はされていませんでした。
それでも私は知り合いを伝ってどうにかブーツを分けてもらい、その足で昨日のお客様のご自宅に訪ねて行ったのです。
兄弟は塾に行っており会えませんでしたが、お母様がいらっしゃり、私がお伺いした事にまず驚かれ、昨日は子供たちが家に帰っても冴えない顔をしていた事、そして25日の２～３日前から「お兄ちゃんと約束したから25日は必ず連れて行ってね！」と言って楽しみにしていた・・・等の話をお聞きし、あんなに楽しみにしていた男の子達の気持ちを裏切ってしまったことの責任の重大さを改めて感じました。
ですが、お母様が「一日遅いサンタだけど子供たちにとって一番うれしいプレゼントになった」と、お話の途中から涙を流しながら喜んで下さったのです。この時、私の中で熱いものが込み上げてきて、子供さんとのお約束は果たせませんでしたが、こうして喜んで頂いた事への満足感を感じる事ができ、なにより「相手の喜びを自分の喜びとして感じた」瞬間でした。
その日の夕方には、電話で兄弟のいつもの明るい弾んだ声で「お父さんやお婆さんにもらったプレゼントよりお兄ちゃんが持ってきてくれたブーツが一番嬉しい！」と言って喜んだ声が聞こえ、再度感動の余韻に浸ってしまいました。
ちなみに、そのご家族とは今もお付き合いがあり、当時の兄弟はすでに家庭を持ち子供もその当時の小学校3年生になっています。
大袈裟かもしれませんが、この感動体験がなければ今の私はなかったと思います。
この出来事を通じて、飲食業の素晴らしさ、仕事を通じて人との出会いと感動そして人との関わりの大切さ実体験できた事が、私の現在の仕事に対する想いの「原点」になっています。